6
3月
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「相棒」の面白さには、脚本のバリエーションというのがあると思うのです。政治家や官僚といった巨悪と対峙する回があったかと思うと、(もちろん人が死んでいたりもするわけですが)ごくミニマムな事件だったり、その振幅の度合いが大きくて、そのへんも飽きない理由のひとつだと思うのです。
それから「相棒」の特徴として、脚本の妙を楽しむ回というのも存在しているような気がします。たとえば「犯人はスズキ」では、町会長の犯行をかばおうとして、町内会の人たちみんなで犯人として架空の人物をでっち上げる、とか、「ついてない女」では、舞台が一貫して成田空港までのリムジンバスの中、右京ととある女のやりとりだったりします。
今回のもそういう、脚本の妙を楽しむ回。
捜一トリオが殺人事件の被疑者としてとある女を逮捕する。伊丹は自分の説得が功を奏したのだと鼻高々だが、実は(やっぱり当然のこと)その陰に特命係の動きがあった。
で今回面白かったのは、事件解決後に、伊丹が警視庁の廊下で尊に刑事の心得を語って聞かせるところから「前日」「2日前」「3日前」というふうに時間を逆に辿って、尊や右京が関わった本来ならば小さな事件であったはずのものが、捜一が追っていた殺人事件とつながっていったことの言ってみれば種明かしをしている点。タイトルが「右京、風邪をひく」という、事件の中身を暗示するものではないところも、やはりこの脚本、特徴的な時間の辿り方をいちばんに見せたいという思惑が見えてくるような気がします。
ただ、わたしがもうひとつ強く惹かれたところは、尊と右京を前にしての、犯人の女(共犯者で、死体遺棄の発案者)の独白部分です。老いていくこと、ひとりで生きること、孤独死への恐怖を語りながら、女は一方的に自己正当化を口にする。それはすごく身勝手なのだけれど、今の時代に広がっている漠然とした不安感や閉塞感をすごく表現しているように思えました。そして、そういう女を右京はいつものように一喝するのかと思いきや、亡くなった老人の事件前の行動について静かに語り出すわけです。
この、時間の転倒?という脚本の仕掛けと至極常道的な流れとしての女の独白が、何かミスマッチのように思えてちょっとザンネンでした。こう、お料理で「口の中で喧嘩する」って言いますが、たとえて言えばそんな感じで。
来週はシーズン8の最終回。尊の謎についての話だそうで、ちょっと楽しみです。
Tags: TV
25
2月
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録画したNHK特集「魔性の難問~リーマン予想・天才たちの闘い」をたまに見ます。もちろん中身をちゃんと理解した上で面白いと思ってるわけでもなくて、聞き流す、見流す、BGVとして良いと思ってるからです。小倉久寛さんのナレーションも淡々としてていいですし。だから、あんまり中身はアタマに入ってないんだろうと思います。
で。たぶん見たのは10回目ぐらいなんですが、ふと、リーマン予想って哲学っぽいよなぁ、と思えて。「一見無秩序でバラバラな数列にしか見えない素数が実は規則性を有している」って、まるで「人生で遭遇するただの偶然のような出来事も、ある種の必然をもって起こる」とか、ひいては「世界というもののメッセージ性」「神の存在証明」「生まれてきたことの意味」みたいなふうにも聞こえるじゃないですか?
NHK特集の数学シリーズ、面白いというのか、作りがセンスいいですよね。ポアンカレ予想のヤツも面白かったです。
Tags: TV
25
2月
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出演:小倉一郎ほか。脚本:徳永富彦、監督:東伸児
勤めていた会社が倒産してしまった同僚同士の男3人が空き家へ侵入したが、そこには住人がいた。その時たまたま右京は、9年前に起きた未解決の現金強奪事件に際して鑑識課が預ったままだったハンカチを返しにその隣家へ来ていたのだったが、次々と不可解なことを発見し推理していくと、そこには9年前の事件が…。
「犯人はスズキ」とかと同系の、政治家や官僚が絡んだ巨悪がテーマの回と対極にあるお話ですネ。住居侵入した3人の男の妙な生真面目さと、その後のどんでん返しは、さすが「相棒」って感じの地味だけれど味がある仕上がりになっています。しいて言えば、もうちょっと余韻が残るオチにして欲しかった。
いつ見ても万年青年だとばかり思っていた小倉一郎さんがいつの間にか老けていたのには、ちょっとびっくりしました(ま、最近「熱中時代」のDVDを見たせいでなおさらそう感じるのかもしれません)。
Tags: TV
20
2月
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この前、テレ東で「テネシーワルツ」っていう2時間ドラマをやってました。
わたしはテレ東の2時間ドラマってけっこう好きです。派手さはないけど、こう、誠実な気がして。日曜日の午後2時からの再放送コーナーはすごく楽しみにしています。
「テネシーワルツ」は江利チエミの歌う同曲のレコードがストーリーの鍵になるドラマ。サスペンスという色より運命とか親子、家族の絆みたいなものが主題。時代に翻弄された母子と、高島礼子がちょっとはすっぱな母親役を演じた、現代を生きる血のつながらない母子との対比。
ドラマの中で、この江利チエミの「テネシーワルツ」が流行ったのが朝鮮特需の頃っていう台詞が出てきて(1952年発売)、wikiには江利チエミとこの曲とのエピソードが載ってた。
特にチエミを可愛がってくれた進駐軍兵士ケネス・ボイドから彼女は運命のレコード「テネシーワルツ」をプレゼントされる。
…江利チエミにとっても「テネシーワルツ」のレコードは人生の大事なキーになるものだったんですネ。
第28回横溝正史ミステリ大賞 テレビ東京賞受賞作品 「テネシーワルツ」
高島礼子主演 第28回横溝正史ミステリ大賞 テレビ東京賞受賞作品「テネシーワルツ」のドラマ化。
「喫茶オリビエ」のオーナー・川村尋子(高島礼子)は夫と離婚後、再婚した元夫のところから転がり込んできた、義理の息子・孝之(佐藤拓也)と2人で暮らしている。そんな尋子にも、コンビニの店長をしている馬渕(乃木涼介)という婚約者がいる。
ある日、尋子は孝之から妙な話を聞く。孝之の同級生・明日香(柳本絵美)が、馬渕に頼まれた“仕事”の報酬が支払われないことに腹を立てているという。仕 事の内容はわからないが、とにかく馬渕はひどい奴らしい。裏で悪事に手を染めていると推測する息子を尋子は笑い飛ばす。そんな話をするなか、馬渕が来店す る。喜ぶ尋子をよそに、孝之は露骨に嫌な態度を取り、その場を後にする。尋子は、馬渕の開いた鞄に目を留める。こっそり覗くと、旧いSP盤の『テネシーワ ルツ』が入っていた。ジャケットには“I lost my little darlin”の走り書きがあり、 “三隅早苗”の名前が書かれていた。さらに、『高齢者ケアセンター 鶴寿院』のパンフレットも入っていた。
数日後、馬渕が何者かに殺されて遺体で発見される。一報を受けた尋子は、井之頭署を訪れて篠原刑事(金田明夫)の取調べを受けることに。生前、馬渕が友 人に「ストーカー女に付きまとわれて困っている」と打ち明けていた事から、事件当日のアリバイを聞かれてしまう。取調べから帰宅すると、孝之が店の前で 待っていた。何者かに家中を物色されていて中に入れないという。尋子はわけがわからず困惑する。その時、馬渕の知り合いで野村という老人が来店する。野村 は、唐突に馬渕から旧いレコードを預かってないか聞いてきた。尋子と孝之は、野村が家捜しをした犯人ではないかと食って掛かるが、きっぱり否定される。野 村は、こちらの様子をうかがうと、また来ると言い残して店を出て行ってしまう。尋子は、馬渕が持っていた旧いレコード『テネシーワルツ』の事を思い出した が、話さなかった。
その後も尋子は、篠原に付きまとわれていた。馬渕は、裏では荒稼ぎをしていたことを知らされ、何か知っていることがないか問われるが全く心当たりがなかった。篠原から婚約者の事を何も知らないと言われた尋子は行動を起こす。
馬渕が所持していた鶴寿院を訪ねて、「マブチ」という入所者がいないか確認するがそのような人物はいなかった。何の収穫も無く肩を落とす尋子。そこで偶 然、加寿夫に会う。加寿夫は、以前取材をした女性を訪ねてセンターを訪れたが、既に転院していたという。加寿夫に食事に誘われた尋子は、なぜか実家に連れ てこられる。尋子の父・壮太郎(西田健)は、元東西新聞社の記者で加寿夫の上司でもあった。2人から意外な人物の名前を聞く。それは、馬渕が持っていたレ コードに書かれていた“三隅早苗”の事だった。早苗は、昭和20年8月、群馬の山中に墜落した米軍機に乗っていた米兵を匿い、看病した女性だった。早苗は 子どもたちに口止めして米兵の治療をしたが、何者かに密告されて逮捕されたうえ一家は村八分に遭ったという。尋子は、思わず、取材の時に早苗が『テネシー ワルツ』の話をしていなかったか聞くが、そんな話は記憶にないといわれてしまう。果たして、馬渕と早苗の接点とは!?旧いレコードに隠されたある事件が明 らかになる!!
出演: 高島礼子、佐藤二朗、小野武彦、金田明夫、西田健、清水紘治、三條美紀、寺泉憲、夏八木勲
スタッフ 【原作】望月武 【脚本】西岡琢也 【監督】児玉ヨシヒサ
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