0107 店先の犬に頬ずる少年のま白きペニス勃つを想像す
0106 環七を平泳ぎして進みたる都バスは紅きポルシェに勝てり
0105 ひらひらと春が零れし君が肩に 掌の湿り気を透かして見ゆる
0104 青空に輝く表彰台は遙か高層住宅美麗を競う
0103 生足が吾一番と咲き誇り紫外線を吾に反射す
0102 行くバスに弾む空気を持て来たりハイタッチせし少女のパスモ
0101 屋上でいちゃいちゃしよう星空の宇宙ステーションに見せびらかそう
0100 ひとりでに涙が出るから泣いてるのべつにかなしいわけではなくて
0099 皮膚を擦り粘膜合わせ体液を交換したねオノマトペの夜
0098 零かけるどんな数字も零になることが今でもしっくりこない
0097 悪態をついて掴んで泣き叫びあなたの背中を追いかけたいの
0096 宇宙から届く画像があまりにも鮮明すぎてもしやスタジオ?
0095 父の日のギフトも小さく扱いし母の日ギフトの案内届く
0094 路地裏の雑居ビルの階段があなたと最初のキスをした場所
0093 むこうでもほらこっちでも妖精が奏でているよ雨の木琴
0092 眠るのがちょっと苦痛になったときわたしは大人になった気がする
0091 年毎に爪弱くなり指先をかばいて止めるチョーキングかな
0090 立ち飲みでスーツ姿に囲まれてつくね片手に安酒を飲む
0089 高架下高円寺から阿佐ヶ谷へ薄暗がりを歩くのが好き
0088 食べたものすぐに下すし間々便秘おなかが弱い自動改札機
0087 ユビキタス指きりげんまん薬指夕日見送るばいばいまたね
0086 雨ざあざあ三角定規コッペパンあっという間にかわいいコックさん
0085 少子化の小学校に入学す百万馬力は何人分か
0084 ばぶばぶと言いて未来を考える財団法人未来予想図
0083 観覧車台からはずして転がして東京湾に沈めてしまえ(一部訂正。*訂正前[観覧車台からはずして転がして太平洋に沈めてしまえ])
0082 バラックの飲み屋の亭主(ママ)に励まされ次に行ったら夜逃げしていた
0081 花びらをあつめて緩し神田川 東京湾まで何枚運ぶ
0080 別れたと野太い声で泣く人の唇紅く睫は長し(一部訂正。*訂正前[別れたと野太い声で言う人の唇紅く睫は長し])
0079 会員制の重い扉を開く夜結びし紐の端を引く君
0078 歯医者さん行った帰りは自分へのご褒美買ってあげたくなるよ
0077 ぐんぐんと気温は上がり二十度に達すると言う気象予報士
0076 次の世に再び生まるることあらば吾人でなく草となりたい
0075 傘さすと雨を区切ってそこだけが縄張りとなる携帯領地
0074 二階より見下ろす道はとりどりの花の咲きたる雨の庭なり
0073 忘れ傘ひとつひとつが違ってて使いし人を想像してみる
0072 傘持ちて吾を待ちたる祖母越えて雨へ駆け出しひとり帰りぬ
0071水たまり探す小さな長靴と笑顔が揺れる雨のお迎え
0070いらないと水玉傘をはねのけて駅へと濡れる君の背中よ
0069 じぐざぐに季節は移りじぐざぐに日々うつろいて吾老いるなり
0068 銀色の天の嘆きを土に撒く呪文のような雨降りしきる(一部訂正。*訂正前[銀色の天の祈りを土に撒く呪文のような雨降りしきる])
0067 中心を貫くものの正体がたとえ肉でもそれを愛と云う
0066 愛よりも刹那の肌の温もりに縋(すが)ってみたいことだってある
0065 ホームレスひとかたまりの影となり桜の下を項垂(うなだ)れ歩く
0064 満天の星の如くに満天の桜眺めるプラネタリウム
0063 淋しいと死んじゃう動物干支にする吾も瀕死の状態である
0062 メロトロン ケルト神話の妖精がテープを回す仕事する箱
0061 誘われし花見に行かず返事すら出してはおらず ゴメンナサイです
0060 JRAが決めたから一年のうちの最終日曜日はアリマ記念
0059 龍馬をやっちゃおうって伏見奉行が言ったから一月二十三日はテラダ記念日
0058 ものごころついた時とはよく言うがものごころっていったい何よ
0057 難解な数式を解くようであるせくすを何故に人は享受す
0056 待ち合わせ新宿西口地下交番決めて会うのにいつも探した
0055 咲かぬ花愛でる男もあるのよとつぶやく君の後ろで「アダージェット」
0054「春よ、来い」願いて過ごし長き日の後に来たるは何故「春なのに」
0053ぬいぐるみ抱けば君を思い出すまるで体温感じるやうに
0052プレマリンプロベラプロセキエストロモンエチニルエストラジオールかな
0051恋すてふ いつもはづれを引きしをり人を見る目のかくも難きに
0050 マフラーがちょっと恋しい夕冷えを雪洞(ぼんぼり)のごと照らす夜桜
0049 スーパーの自転車置き場に繋がれし犬も春眠貪っている
0048 この恋の嵐乗り切るコンパスを貸してキャプテン・ジャック・スパロウ
0047 真実の恋ならきっと溺れないバタアシだって渡り切れるさ
0046 場所取りをするなら風邪を引かぬようからだぬくめて酒でも飲んで
0045 雨風が凌げてネットが繋がって飯が炊ければそれで御の字
0044 妖精の仕業であるかチョコレート買い物カゴにいつもかならず
0043 それぞれにマイ名所あり桜花たとえ小さき一株なりしも
0042 海に落つ夕陽眺めて育ちたる人の心を吾はわからず
0041 表とは呼ばれず歌にも歌われず吾が故郷の三陸海岸
0040 路傍の儚き花の如き出会いも腐れ縁へと変貌す
0039 スカートで覆いし嘘は発酵しやがて真実の酒となりたる
0038 花狂い散らされている散っている濡れた路面に花びらべったり
0037 嵐に花を散らすのは花見集中日を前にした花の矜持
0036 花びらのシャワーがあなたをお出迎え期間限定クルマもどうぞ
0035 「川沿いを歩くと桜が見事です」云われたわたしが詳しいのだが
0034 職人は3時休憩早く取り今日の仕事は早仕舞いかな
0033 飲み仲間腐縁の故の気楽さはすぐ辟易に変わると謂えど
0032 嘘じゃないそう言い切れば嘘になる けれどホントのことは言わない
0031 かあさんに初めてついた嘘は何 嘘を覚えて子は育ちたる
0030 今更にどうにもならぬ腐れ縁その手ありしか自己満足でも
0029 世の中は嘘と真実でできていてしかも意外と判別し難い
0028 つきたくてついてる嘘は思うほど多くはなくてだから苦しい