Archive for the 詩歌 Category

呟言短歌とツイノベのその後

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ツイッターでつぶやいている短歌ほかは以下にてストック中です。

「呟言短歌保存棚」→「882323文芸部

また「ツイノベ自作保存棚」は、「ツイログfoomie23」のハッシュタグ#twnovelでご覧下さいませ。

ツイノベ自作保存棚(100430-100502)

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たった3日間ですが、ちょっと区切っておきます。

0029
明日はいよいよ性転換手術。ここまでつらいこともたくさんあったが、やっと本当の私になれる。執刀医が言うには、いわゆる取ったり穴を開けたりの他に私の体内に真珠を1粒埋め込むのだそうだ。象徴としての卵子。受精することも排出されることもないが、かけがえのないものだ。

0028
昨夜は楽しかったなあ。同窓会。見た目は確かに変わっても、みんな変わらないよ。二次会のカラオケ、洋介なんて尾崎を絶唱してんの。あっはははは。あの子あの頃からそうだった。そうそうこれこれ、卒業アルバム。裕子に弥生に、あれ、洋介は…あれ、集合写真のわきの丸い枠の写真…

0027
「…見ますか?」麻酔から目覚めた私に、手術の成功を告げたあと通訳の女性は言った。隣では執刀医が自信に満ちた笑み。「見る」とは、手術で取った「あれ」のこと。私は首を横に振る。だって、見たら奇麗になれないというジンクスを聞いたから。私は前を向いて生きなければ。

0026
僕らは懸命に自転車を漕いだ。虹の足に触れるため。街に鮮明な虹がかかった時、僕らはどうやら虹の片方の足に近い所にいるらしいとわかったから。チャンス。逃げる虹を追ってやっと虹の足のすぐ近くまで来ると、僕らは丘を駆け上がり手を伸ばす。ああ、すぐそこなのに手が届かない!

0025
希が妊娠したと聞いてのけぞった。だって元男性のトランスジェンダーだから。どう考えたってできっこないはずなのだが、ここはひとつ彼女のために、起こったら一番厄介な状況を想定して動いてあげるのが、この場合友人というものだろう。ということはやっぱり妊娠。おめでとう、希。

0024
以前ある方から、小学生の頃仲間と動物園に忍び込んでペンギンを盗もうとしたことがある、と聞いたときには、なんだか切ない心もちになった。月夜、数人の子らがただペンギン可愛さに、後先考えず動物園のフェンスを乗り越えてペンギンの許へ走る。なんとも想像をかきたてられる話だ

呟言短歌保存棚(100430-100502)

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思うところあって、たった3日分ですけどちょっと区切っておきます。

*わたしが返歌したものは、その元歌も表示しています。RT @**** 以降の歌が元歌。元歌の作者のみなさま無断転載ごめんなさい。

*Sizzlitterは短歌自動生成プログラムらしいです、よくわかりませんが。http://www17.atpages.jp/sasakiarara/

0395 ねえあなた別れた奥さんへの未練聞かされて私何をどうしろと
0394 暗き路地素振りをしたる少年はただ影となり何処を見据える
0393 日本中いくつあるのか調べたい水道道路という名の道路
0392 今よりのタイムサービスひとかごが百円なりと八百屋の主人
0391 吾のこのか細き手首痛きほど握りて往けよ愛しき君よ
0390 ライオンの二階席にて君と聴くモーツァルトのニ短調なり(未発表)
0389 道標(しるべ)なき恋の行方を占いて星座を探しレモンスカッシュ
0388 レコードの歌は終わりてぶつぶつと針は奏でし淡きかの恋
0387 [百舌式市松短歌]闇を抱き夢を抱き締め吾が床で独り寝の夜に君の残り香
(*百舌式市松短歌…平仮名と漢字が交互に出てくるように詠んだ歌)
0386 鳴り止まぬ風頭骨の裡を抜け死人の誘う夜の海光る(変更前:鳴り止まぬ風頭骨の内を抜け死人の誘う夜の海光る)
0385 指と指こころとこころ嘘と嘘カラメル色素おもむくままに
0385 ざわざわと音をたてたる吾が精神不安定非同一性元素
0384 手を触れていいですかそのおぞましくいとしきものの描く稜線
0383 過ぎし日の一夜一夜の夢心地合わせ鏡の幼き遊戯
0382 百かぞえ君を探すももう君はどこにも居らず吾は鬼のまま
0381 セクシャルやジェンダーなどというものに振り回されるわたしはだあれ
0380 三度きり行き交わぬ羽根娘らは歓声あげてバドミントンをす
0379 凛としてあらねば青の重力に抗いきれぬ五月また来た
0378 美しき日々はあまりに愛ですぎて魚も棲まぬみずうみとなる(変更前:美しき日々はあんまり愛ですぎて魚も棲まぬみずうみとなる)
0377 華やぎの罠が其処此処はじけたり連鎖多発的花爆弾(変更前:華やぎの罠がそこここはじけたり連鎖多発的花爆弾)
0376 絶望の消えゆく宵はわが身さえ闇に溶け出す星の教会 RT @Sizzlitter  10690:きえてゆく絶望のよう いいわけになって静かな教会のよう
0375 休憩という名の旅の儚さを知りても縋る甘き香りか RT @yuriko_y 扉閉じエレベーターは船になる 二時間の旅へ二人を連れ行く
0374 この糸に縋りつけよと吾が上に垂れたる端はわずか届かず(この糸に縋りつけよと吾が上に垂れたる糸はわずか届かず)
0373 天井に自分を映す子の脚はか細く夜を彷徨い歩き RT @miyashiro844 自我像と思う世界の一室で泣き叫ぶ児は母に殴られ
0372 ひと粒の真珠を抱いて海の底蛸に抱かれて眠っていたい(ひと粒の真珠を抱いて海の底砂に埋もれて眠っていたい)
0371 文集の君のページにはさまりしいびつなかたちの赤いセロファン
0370 流れてくタイムラインに乗り損ねわたしひとりが取り残される
0369 今年また夜の気配は盂蘭盆会目指して濃度増しゆくだろう
0368 永遠の向こうに続く迷い道手を取り渡れそれが愛なら RT @Sizzlitter  10562:永遠の終わりを見つめあたたかい遊びの影を愛した期待(星野しずる)
0367 きらめきはテトラポッドの群れを抱き海星(ひとで)は恋に破れ抜け殻 RT @Sizzlitter 10561:まなざしはテトラポッドの群れとなる深紅の音は見たくない 夢(星野しずる)
0366 ふわふわの半透明のバラライカ ウオトカあおって庭駆け回れ RT @Sizzlitter 10560:ふわふわの半透明の犬になれ 十一月をたしかめている(星野しずる)
0365 夢拾う老人の背に星ひとつビルの谷間の夜のブランコ RT @Sizzlitter 10559:夢のないつめたい街のともしびを待つ日の僕の記憶になった(星野しずる)
0364 臨月の月なき夜の影踏みは童らの下駄からんころんと RT @Sizzlitter  10558:臨月の永遠がないなわとびにみえるあかるいともしびの日だ (星野しずる)
0363 狙いつけさすが季節はぴったりと合わせてきたり初夏の連休
0362 わが床に寝息を立てる君がいて白いうなじにそっと接吻(キス)する
0361 じゃれ合って布団の中に飽和する切なき香り頬寄せ眠る(変更前:じゃれ合って布団の中に飽和する香り切なく頬寄せ眠る)
0360 菓子缶のスパイ手帳に記されし犯行計画明るみになる(変更前:菓子缶のスパイ手帳に記されし犯行計画明るみにならず)

ツイノベ自作保存棚(1004c,21-29)

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*いちおうコレもカテゴリーは詩歌扱いにしています。

0023
[カノン6] それはまるで蜜月だった。まだ見ぬ人とのメールを介した蜜月。携帯電話がある限り、私は彼の安らぎを受け取ることができ、携帯電話は彼の化身だ。だが、私の中に次なる欲求が沸き起こってもいた。一度でいいから彼の姿を見てみたい、できることなら彼と会いたい!

0022
[カノン5] やがて彼からのメールに私は、内容というよりメールが届くことそれ自体、着信音が鳴ること自体、それも脳というより体が反応するようになった。皮膚、毛穴、子宮。私はメールを通して彼からのある種のエネルギーを受け取る。暖かく安心感のあるエネルギー。

0021
[カノン4] 年下であるという彼はまるで熟練した心理療法士のように私の心を解きほぐしていった。彼が住んでいるという島の自然について。風習について。そんなこと書き送ってこられても読んでいる心の余裕などどこにもないはずなのに、私の心に沁みこんでいった。

0020
世界はいよいよ狭くなり、国家は存在するが血の交配が極限まで進み、もはや人種というものは自分の遠い祖先のどれか一端を語るものでしかなくなっていた。国連は人種遺産を制定。かろうじて残った人種の痕跡を有意に持つ人々を世界中から抽出し希少種として保存することになった。

0019
とうとう赤ずきんにおばあさんの家へ行くお手伝いの命令が下された。ついにきた。赤ずきんは聡明でたいへんな読書家だったので、おばあさんの身にふりかかっていること、これから自分の身にふりかかること、そしてその深層心理学的意味について瞬時に理解した。殺らねば殺られる…。

0018
愛にセッティングしてもらって健二とベトナム料理屋。向こうのテーブルでは大きな声で酒を酌み交わす男が2人。聞けば、ベトナムから難民船で漂着したたった2人の生き残り、それ以来の再会だとか。ちょっと感動していると「ごめん、俺」と健二。私は生春巻をつまんだまま凍りつく。

0017
薫が半纏を引っ張るので見てみると、神輿に入っている俊が私を手招いている。仕方なく行ってみる。「何よ」。全然聞こえないがまだ何か言ってる。「はぁ?」。「す、き、だ」。私はカッとした。こんな所で、馬鹿にしてんの?「オレは神様担いで告白してんだ、真剣だ」。空が青いなぁ

0016
それは恋愛のスパイスではなく、私に言わせれば恋愛分子を繋ぐ不可欠のもの。奇跡。ちょっとしたものでいい。些細な偶然。記憶に残る、けれど他愛の無いハプニング。デートの最中に見た虹、美しい夕焼け。どこからか転がってきたボール。そんなことたちが確実に恋を後押しするのだ。

0015
たとえば小学校か小学校に入らぬうちに覚えた、布団の中で性器に手を押し充てる遊戯と同様、私が魅入られたのは、どういうわけか半田の匂いだった。半田こての先で小さな「じゅっ」というかわいらしい音を伴って立ち上る、ささやかで神聖で清潔な煙、そしてあの甘い匂い。…ああ!

0014
この世界にあふれる光にも善なるものと悪なるものがあるとして、その善なるものを身にまとうのが真珠である。あるいは、悪なる光をも浄化しようとするものが真珠である。母がわが子を抱き慈しむように、真珠は光を抱く。光を微笑に変える。そして、真珠はあらゆる卵(らん)を弔う。

0013
おかしな男。出会い系で出会ったのに、会えば新宿界隈飲みに連れ歩くだけ、キスさえ要求しなかった。不思議だったが彼と飲み歩くのは楽しかった。やがて疎遠になり、私は新たな出会いを求めて男を探す。会おうということになり待ち合わせ場所に行くと、彼。開口一番「ホテル行こう」

0012
あなたは許してくれるだろうか。お嬢さま育ちのあなたから「親が決めた相手と結婚させられる」とメールが届いた時、私は「おめでとう」とだけ返信した。昔のことだしあなたはもう思い出しはしないだろうが、私は今でも苦しみ続けている。それはたぶん、今でもあなたが好きだから。

0011
この年になっても両親との折り合いが悪いのは私のせいなのだろうか。両親は両親なりに精一杯私に愛情を注いでくれたはずで、その愛情に応えられないのは私の方だ。ただ、ひとつ私に言い分があるとすれば、それは父や母が私を抱きしめてくれたという記憶を与えてくれなかったことだ。

0010
「今しあわせ?」私はエレンに聞いた。エレンはホテルで知り合った、50を過ぎてここタイで性転換手術をしたスウェーデン人、元男性である。物静かで理知的な容姿の彼女は悲しげに首を横に振った。私はそれ以上何も聞けず、ひとりホテルを出ると容赦ない陽射しがわたしに照りつけた

0009
昔、摂津の国でしか採れない茄子があった。かたち、味ともに普通の茄子と変わらないが、食べるとなんとも人恋しい心持ちになる。初めは食されていたそうだが、やがて鬱を助長するものとして忌避された。この摂津茄子が「せつなす」「せつなし」、今の「せつない」という語の語源である。

0008
「人の心っていうのは家みたいなもんだ。君は人が尋ねて来た時どうするね?玄関で応対することもあるだろう。用心のためドアを閉めたままで用件だけ聞くかもしれない。あるいは人によってはさあどうぞどうぞと、寝室へ通して尻の黒子まで晒す人もいる。そういうことなんだよ。」

0007
そのまだ幼さの残る痩せた男娼は、一見、容姿こそ十人並みだが、客を掴んで離さぬ特別なものがあった。肩胛骨。肩胛骨の美しさ。太古、人というものがまだ天との関係を断ち切れぬ頃にはその証左として確実に存在していた、あの翼。彼の肩胛骨はそれを想像させるに十分なものだった。

0006
「最後のお使いをたのむ」王子は燕に囁いた。「もうルビーの目さえありません」。絢爛豪華だった王子の像は今や憐れなブロンズ像。「まだあるんだよ」と王子。言われるまま燕は王子の股間に懸命に嘴を立て中の金の細工を掘り出す。「やっと私は救われた」そう言うと王子は昇天した。

0005
桃太郎は刀を構えたまま大きく息を切らしていた。目の前の、まだ鬼の形相だが片腕を失いどくどくと流血しているこの鬼さえ殺れば、鬼が島は自分のものだ。あははは、もうすぐだ。とその時、鬼は「も、桃太郎…」とつぶやく。桃太郎は一瞬にして全てを悟る、「お、おにいちゃん…」

0004
[カノン3] 初めこそ彼に、ごく薄っぺらな自己紹介を小出しにしていたが、すぐ私は、自分の境遇の不幸と今の心の苦しさを一方的を訴えるようになった。その時自分がどれだけ唾棄すべき女を演じているかなど、自覚している余裕すらなかった。そんな時彼の反応は意外だった。

0003
[カノン2] 着信音の相手は、出会い系サイトで知り合った男だった。どうにもこうにもわたしが精神的にまいってしまって、はずみでメールを交わすようになった、遠い南の島で暮らしているという人である。彼はとても変わっていた。欲情にまみれた言葉を投げかけるわけでもない。

0002
[カノン1] 私は愛に抱擁される日々の中にいた。それは私の機種にプリセットされていた何ということはない「パッヘルベルのカノン」だったが、携帯電話の着信音でその曲が鳴るたび、涙は溢れ体は震え芯がじゅっと熱くなるような感覚に襲われた。だが着信音が問題なのではない。

0001
女に生まれ男になりたかったイカロスは王ミノスの怒りを買いジェンダーの迷宮に幽閉されたものの何とか自力で脱出し、蝋で張形を作りやっとのことで愛する人との逢瀬を果たしましたが、あまりの熱い情交で蝋が溶け、イカロスは絶望のあまり蝋の翼で太陽を目指し墜落死しました

呟言短歌保存棚(1004c,21-29)

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0359 故郷で母に貰いし手鏡の男を殺し吾は生きたり
0358 行儀良く吸い込まれたりこて先に半田の熔ける甘き匂いぞ
0357 二人きり遠足したるこの海は凪いで光のグロッケンシュピール
0356 駆け出して五月と叫べほらそこに君の五月が待っているから(twitter未掲載)
0355 あの海で君が見つけし貝殻の眠り続ける吾が宝箱
0354 貝殻に耳を押し当て潮騒の先にあの日の君の声聞く
0353 車輌基地電車ささやく「疲れたね」「今日も一日がんばったよね」
0352 嬉しさは大脳皮質の奥深く眠りしものを揺り覚ますのか
0351 男娼の背中の羽は去勢され階段室にうずくまるのみ
0350 手を触れる唇寄せる吾汝の肌合わせる吾を手折れ今すぐ
0349 イカロスの末裔であり少年は肩甲骨に閉ざされた夢
0348 満たされぬこころのわけをまざまざと知った私にどうしろと言う?
0347 モカの超法規的措置くるくると高速道路ルンバ疾走 (ルンバ=”超箒的装置”)
0346 停止位置守って初夏に引き継がれ最終電車が終点に着く
0345 雑音と言いし電波の網の目の奥に微かにワライカワセミ
0344 雨退けば幻の虹見ゆるほど冷たき空のざわざわとして
0343 子のうちは早く大人になれなれと 時は駆け抜け春の墓標
0342 打つ雨はこころ見透かしおまえには春はやらぬと肌に冷たく(変更前:打つ雨はこころ見透かしおまえには春はやらぬと肌に冷たし)
0341 何年もプレパラートに挟まったままの君を覗く顕微鏡
0340 サヨナラのほかに伝えるべきことがあの時言えず今も胸痛む
0339 編み物の手伝いはよくさせられたけど編み物は教えてくれず
0338 握られた祈りの両手そのままに眠り続ける聖ベルナデット
0337 レジ並び体屈めて菓子パンを一つ買いたる試食販売員
0336 主居ぬ洗濯物が円形の窓のむこうで宇宙訓練
0335 間隙を突いて世界の中心で飯と叫べば元気になれる
0334 もし吾が浮上せぬとき言の葉の海で逝ったと思ってください
0333 手を引かれ岩を登りて筑波山 さぞや多くの恋も生まれん
0332 甥君は何を覗き見る 吾が叔父と吾が使いし古き顕微鏡
0331 環礁は吾を誘いて鳥たちと群れて南へ旅し六月
0330 ひっそりと咲かない花の咲き較べ誰も知らないワイルドガーデン
0329 静寂に耳は産毛をそばだてて濃度を測る夜のエーテル
0328 凛々しさと脆さと笑顔絶妙な私のまわりのオトコマエ女子
0327 笑い皺深く刻まれかの女(ひと)の笑顔に満ちた半生思う
0326 海行くと決まり従姉妹と浮き輪付け畳の海で泳ぐ早朝
0325 癒される場所はないかも永遠に吾廃人となるでもなければ
0324 琥珀色の不確定性その先に透ける未来の不確定性
0323 友達の先に熟れゆく身体に戸惑いのあるランドセル揺れ
0322 母の居ぬ三面鏡に吾が裸映せし午後に柘榴熟れたり
0321 家々の灯投げ込み川面には吾は映さず星のなき空
0320 路地裏の暗きにそっと秘められて忘れ去られた家族計画
0319 地図の無き未来だからこそ楽しいと笑う君を背に読む占い本
0318 もしあの日あの坂道を通らねば汝の掌の大きさ知らず
0317 選択の繰り返しであり人生は「もし・たら・れば」のパラレルワールド
0316 色褪せし記憶の中の綿帽子夕陽に透けて飛べどこまでも
0315 本当はスーツ裂くほどしがみつき行くなと泣いて懇願したい
0314 去って行く君の背中は夜に消え三半規管に降りしきる雨
0313 京王線笹塚駅の線路越し準特急が愛を遮る
0312 決着をつけたい君がつけられぬわたしに夜毎愛を吐き出す
0311 鉢洗い必死で飲んでゲロ吐いて六年過ぎてもまだネタにされ
0310 少年のような瞳に騙されて幼き愛に振り回される
0309 真っ黒な尻を揺らして立ち漕ぎす野球少年闇に消えたり(訂正前:立ち漕ぎの野球少年遠ざかる黒く汚れた尻が揺れつつ)
0308 謙虚さと傲慢学び少女らはやがて大人の女となりぬ
0307 陽光とちぐはぐなりし吹く風はひと月前のものと思ほゆ
0306 顔剃りの思いもかけず柔らかき刃の感触に薄目開けたり
0305 分泌す闇は静かに粘膜を護るあなたの優しさに似て
0304 水分の枯渇するかと思うほど洟(はなみず)の出てティッシュ減りぬる
0303 フロッピー1.44MBぽっちでたくさん入った気がする
0302 フロッピー挿すたび「カシャッ」と音立ててカヴァーを開けて読む律儀さよ
0301 駆け引きのできぬ吾の賭けこの恋はすぐ汝の元へ駆けて行きたい
0300 駆け引きの通じぬ恋に身を焦がしどうにでもして俎板の上
0299 恐れなどなき学ランの颯爽と君の弾ききる「英雄ポロネーズ」
0298 俎板の上にある吾をそのままに駆け出す君にやきもきとする
0297 受精することなき卵を弔って波を枕に眠りにつこう
0296 初恋はラムネでやがてアルコール 大人は何故に苦味好むか
0295 握りたる手の感触が今もある何番目かの初恋の人
0294 魂は無垢なるが世は荒みぬと言ひし子らの社会心理学的背景(バックボーン)(訂正前:魂は無垢なるが世は荒みぬと言ひし子らの心理的背景(バックボーン))
0293 生まれ出でし吾の心で眠りたるもうひとりの吾(=君)が目覚める
0292 透明の二重螺旋で邂逅す汝を待ち焦がれ産まれ落ちてより
0291 神様にお願いをして眠る癖 中学生の頃より今も
0290 何故人はヘルマフロディテ愛でるのか 性の痕跡消し去ってくれ
0289 透明の時間は順に選ばれているデパートのエスカレーター
0288 耳鳴りのしじまの果てにひとり立つ細胞の海ホワイトノイズ
0287 首絞めるようにじゃれあう中年の夫婦を乗せてエスカレーター
0286 まっすぐに歩いていけば黄泉の国に行けそう 夜のまだ知らぬ路地
0285 ドアだけが豪華に客を出迎えてぽつんと灯る食虫植物
0284 芸術のカーブを描き飛んで行く 闇を劈くピザの宅配
0283 喧騒を纏い女の一団は地下鉄口に吸い込まれたり
0282 わんわんと心の中で呟いてハチ公バスにシャッターを切る
0281 老婆心 婆(ばばあ)は世話を焼くものと決まれり吾も世話でも焼くか
0280 老獪な舌の吾が歯を抉じ開けて腐臭を放つ満月の下(未発表)
0279 老獪な舌の吾が歯を抉じ開けて奪い取りたる口腔粘膜
0278 亡骸は荼毘に付されし小乗の教えの篤く蘭の花咲く
0277 脳髄を突き刺し夏の逆光は真白き夢魔の来る白昼夢
0276 おのが性恨みて自傷繰り返し もしもこの世に性のなければ
0275 生殖の器(うつわ)と言いし不可思議なものを忍ばせ通勤ラッシュ
0274 ささやかな秘密で愛は育まれまたひとつ咲く愛の口裏
0273 ありもせぬかもしれぬものここにあるそう信じてる愛の口裏
0272 服を着るかわりにベッドに捨てられて干乾びていく君の抜殻
0271 街灯の教えてくれし水たまり 大人だから避けて歩く
0270 居残りのようにぽつんと図書館に閉館知らすジムノペディ鳴る
0269 街灯に透けて見えたる霧雨にバスは無言の影を吐きぬ
0268 冷えきったこの愛どなたか火にかけて沸騰させてくださいません?
0267 恋しさは全細胞の飢え渇き 笑顔の君にはわからぬだろう
0266 宵宮の神輿の上がる前に行き森戸海岸夕日落つを見る
0265 何故眉は二本あるのか一本の方が手入れは絶対ラクだ
0264 カミサマさあ神輿担いでるんだから優先的に願い聞いてよ
0263 やさぐれの渡り鳥なり神輿では地元担がず余所ばかり行く
0262 やさぐれて小林旭を口ずさみギター抱えて旅に出ようか
0261 ゴング鳴り試合開始だ朝食は三十分の一本勝負
0260 吾が短歌三十一文字の作文であり詩歌にはまだまだ遠く
0259 残量は恋の行方か来るはずのないメール待ち電池少なし
0258 透明な風が産毛を逆立てて何処で覚えし口接技法
0257 重力と時間軸への抗いの果ての自愛でしかない吾が作歌
0256 モーションに入りし君を目を閉じて時間差攻撃受けて立とう
0255 愛しさが吾が唇へ接近す着地五秒前距離十センチメートル
0254 ふるさとの訛は父母の声でしか聞けぬ都会に取り残されぬ
0253 着地する前のわたしのくちびるに炭酸水を塗る人だあれ
0252 おやすみの童話のうちに寝息立つ無数の窓辺星は微笑む
0251 釣りをするように階下へ竿伸びて釣られたような鯉のぼりあり(変更前:釣りをするように道路へ竿伸びて釣られたような鯉のぼりあり)
0250 運命なんて信じないけど運命を知りたいと思うとっても
0249 通帳の印字はページ埋め尽くしたのに残金四千百円
0248 シンナーの臭いたちこめマンションの外壁補修終わり見えたか
0247 枝も葉もなく花咲かず受粉せず実も結ばずのスカイツリー(変更前:枝も葉もなく花咲かず受粉せず実も結ばないスカイツリー)
0246 近いはずなのに果てなく遠い気がして性差とは何なのだろう
0245 今の子はオシャレさんだなそんな服どこで買うのよ誰が買うのよ
0244 幾重にも押し寄せる雲もう夏の予告編なり空の劇場(変更前:幾重にも押し寄せる雲もう夏の予告編なり空のキャンバス)
0243 ここだけの話にしてね広まるとわたし困るし友だちだよね
0242 家々の灯眺めて夜の街家のない子のように歩く
0241 肩入れるつかまるとっつくぶら下がる 三社まであとひと月もなし
0240 「肩入れる」。神輿担ぎをする人の粋な言葉とあらためて知る
0239 身勝手はわかっていますでもすこしほんのすこしの猶予ください
0238 遠き恋 発掘現場に出土せし火も噴き出さんほどの純真(変更前:遠き恋発掘現場に現れし火も噴き出さんほどの純真)
0237 恋叶う夢を若きに見た記憶あるが老いては夢もシリアス

呟言短歌保存棚(1004b)

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0236 今まさに吾がこの場にあることを痛みで知ろうとする繰り返し

0235 幼さの残るカップル手にしたる買物袋に幸福予約券
0234 そこ押すとベルが鳴ります触れないで 音はすごいし止められません
0233 富士山のかわりにタワーマンションが眺望できます ここは富士見台
0232 真夜中のピンポンダッシュ逃げられず乳房の先の非常釦の
0231 迷い猫探しているの貼り紙にむしろ猫の決意を嗅ぎ取る
0230 雨の中車輪に太い輪っか嵌めシートをかける仮面ライダー
0229 屋上の貸看板はハンバーガー屋からサラ金に変わっていた
0228 この闇の成分であるエーテルと吾は交合す(君ではなくて)
0227 欲情と釣り合う夜を受け止めてルゴール液は闇に滲み出る
0226 振り返り此岸と彼岸の橋の上君を消し去るドップラー効果
0225 「とまります」の電気蛍一斉に点きて次は新高円寺
0224 両腿の間の奥のひとすじを運命線と手相見見抜く(変更前:両腿の間の奥のひとすじを運命線と易者は見抜く)
0223 唇が他の柔らかき唇のそっと触れるをシミュレートする
0222 女とはなんと眩しいものだろう 吾も末席を汚しているが
0221 ネットカフェ冷凍ピラフが胃にもたれ 激安だからこんなもんか
0220 女とは何と眩しいものだろう そう言う私の戸籍は女
0219 行き交いしボールの音が溌剌と五階建てに響く女子高
0218 店内にあるものすべて買い得と男の声は体育会系
0217 変わりそうな信号で走る勇気を与えてくれる春のひかり
0216 おかしいね忘れねばとは思うのに心はどんどん鮮やかにする
0215 走り出す男児の影は主人よりきびきびとして路地裏を行く
0214 玄関を出た瞬間に走り出す男児追う女の肩提げ袋(トートバッグ)
0213 一遍に光飛び込み眩暈する横断歩道の罅割れし白
0212 頬の裏噛むは太って頬に肉付きたる故が大きいらしい
0211 要塞と森を抜けたらドアがある 入る前にはチャイム鳴らして
0210 乾涸びた少女が眠る洞窟を君よ早く探検に来い
0209 赤い糸 糸くずならばその辺にようけあるけにほら持って行き
0208 赤い糸要るや要らんや老い先の出会い稀有ぞと業者迫れり
0207 蒼き影切り取られたる舗装(アスファルト)知らぬ名の花亀裂より咲く
0206 百円のメンチが七十八円になっていたのか!知らなかったよorz…
0205 重なりし裸の円舞曲狂ほしく儚き夢のファントムペイン
0204 君が胸の中で流れし音楽はどこか懐かし思いするらむ
0203 雪載せた車列は遅々と環七を進む土曜の朝のパレード
0202 大丈夫曲がりなりにも北国の育ちであると言い聞かせ歩く
0201 朝帰りの後ろめたさもかき消されかき氷の道そろそろ歩く
0200 布団部屋擬態の女神微睡みの切断面より滲み出る月
0199 何事もなかったように明日から花また散らす桜であろう
0198 あなたからメールが来ると鳴るカノン パッヘルベルのカノンほら鳴る
0197 環七は右傾を描きちいちゃんの居処(すまい)へ至り君は元気か
0196 若き娘の性器包みし布切れの心もとなきほどの小ささ
0195 売り出しの旗は冷たき雨風に音を立てをり新築マンション(変更前:売り出しの旗は冷たき雨風に音を立てたり新築マンション)
0194 花凍えじっとあなたを待っている恋の前には散るだけなのに
0193 深川江戸資料館で君と時代劇デートしたいのだが、どう?
0192 しろくろのときのむこうにとおざかるさくらのしたのあわきくちづけ
0191 ジェンダーの迷路の中に立ち尽くし君の名前を繰り返し呼ぶ
0190 朝来るを膝を抱えてじっと待つこころとからだのちょうど真ん中
0189 隣にて着替えし娘身につけるいとも小さき三角の布(変更前:隣にて着替えし娘身につけるいとも小さき三角の布)
0188 病室の曇りし窓にハート描く言葉通じぬ医療スタッフ
0187 忘れ去ることが下手なりいつまでもそのままである待受画面(変更前:忘れ去ることが下手なりいつまでもそのままである待ち受け画面)
0186 街灯の磁場に歪んでいるような雨が闇から放たれてくる
0185 ほんとはね傘をさすのは好きだけど子供っぽいと言われそうだし
0184 眠れずに録画したるを眺めつつやはり寝ようと思う明け方
0183 吾が躯オーバードーズも毎日となれば自然のこととなれり
0182 瓶の中水責めに遭い朦朧のうち宣誓書にサインさせらる(変更前:瓶の中水責めに遭い朦朧の中宣誓書にサインさせらる)
0181 橙の玩具のカメラ構えたる幼子の瞳(め)は対象を射ぬ
0180 信号が変わり飛び出す銀鱗の群れは立体交差を潜る
0179 歩行者用信号機が吾急かす六車線の幹線道路
0178 号令に老婆狼狽環七を渡らんとすは命懸けなり
0177 明け方の環七信号無視をして駆け抜け渡ることの快感
0176 あの頃は思う存分泣けたのにこれっばかしの涙も出ない
0175 散り際の桜見たさにマンモスが蘇生したかと思う冷春
0174 グー・チョキ・パー三つの種類ジャンケンが今でもそうである不思議なり
0173 ようやくに試験車輌到着す新青森とはどこにある駅
0172 隷属の遊戯に酔いて愛と做す 吾盲目の花であらんと
0171 ええと…そう…例えて言えばトイカメラが写すフシギな一瞬であれ
0170 ごとごとと近きに聞こゆ環七を跨ぐ高架を往く電車の音
0169 真夜中の西新宿のビル群は命尽きつつある巨神兵
0168 航空灯明滅させるビル群は崩れ落ちたる巨神兵なり
0167 二十六時という時を生きなければ存在しない二十六時
0166 吾が手より放ちて後にまた手繰るその日のための準備体操
0165 君が肩にかかりし重さ負担なら吾をはらいのけ行ってくれていい
0164 そこにある東京家庭裁判所 審問官は発言促す
0163 審問の終いに発言促され静止振り切り悪態をつく
0162 この恋の叶ふものなら悪魔にも魂も売らむと思ふ真夜中(変更前:この恋の叶うものなら悪魔にも魂も売らむと思う真夜中)
0161 耳元で「ふみ」と囁く友人のフランス人の夫の発音
0160 吾の何もわからぬ人に下される審判とやらの薄っぺらさよ
0159 春野菜黄金週間過ぎまでは安くならぬとニュース伝える
0158 自爆するつもりはないが己晒し自虐に走る癖ぞありける
0157 あの日から吾どれほどに背伸びしても君に届かぬ今も届かぬ(変更前:あの日から吾いかほどに背伸びしても君に届かぬ今も届かぬ)
0156 自習室万年筆のペン先が光り少女は小説を書く
0155 性器臭インクの匂いの香水で消して本読みをり自習室
0154 エーエムがファミリーマートに名を変えてまたそこでやるオトナの事情
0153 良い良いと言うがそんなに良いのか?とレビュー書かれるイーノのアルバム
0152 あなたには話せないから何度でもタイムラインにオヤスミナサイ(変更前:あなたには話せないから何度でもタイムラインにおやすみなさい)
0151 おのが声に慣れぬ男子の声響く中学校の狭き校庭
0150 ギグバッグ背負いて揺れるスカートの丈は短き春の始まり
0149 吾が細き手首掴みて離さぬと言ひしオトコは未だあらざり
0148 ぎざぎざの髪に手を充つ少女見遣る本に無数のアンダーライン
0147 ねえもしもタイムマシンがあったなら過去に行きたい?未来に行きたい?
0146 買いたての歯磨きチューブを思い切り押し出すような金管の音
0145 ギグバッグ背負いし少女颯爽と襞を揺らして風を漕ぎたり
0144 最果ての南の島でパンを焼くまだ見ぬ人の掌想う
0143 ひっそりと廃銭湯は路地の奥 開かぬシャッター錆び色のまま
0142 閉じたままの卒業写真胸に抱きわたしは一度手首を切った
0141 うちの嫁カミさんつれあいうちの女房 夫婦の機微を吾はわからず
0140 ガラス瓶幼き性器浸け置かれホルマリン臭ある自習室
0139 followme それはリアルで言う台詞 ラブミー☆キスミー☆フォローミーなの☆
0138 いろいろ恋がありすぎて もはや どれが初恋だかよくわからない
0127 夜明け前君が寝所を脱け出でてトルコききょうを忍ばせておく
0136 あの恋を幼き故の遊戯とは言わぬ 人妻なる君へも
0135 いまここに開いた傘の直径があなたとわたし繋いでる距離(訂正前:いまここに開いた傘の直径があなたとわたし引き留める距離)
0134 なあプリン、皿に返してぷるぷると起立するヤツではなかったか。(訂正前:なあプリン、皿に返してぷるぷると起立するはずではなかったか。)
0133 ガッチャマンにマスク剥がされ振り返るベルクカッツェの瞳ぞ哀し
0132 雨粒の中にぽつんとコンビニの低体温のロゴは灯りぬ(訂正前=雨粒の中にぽつんとコンビニの低体温の灯ともりぬ)
0131 吾が料理褒めることしか知らぬ母ただ黙々と箸運ぶ父
0130 社会的二項対立永遠の 越境などと露も思わず
0129 年取ると男は駄目ね項垂れて過去に縋りて愚痴ばかり吐く
0128 老巨匠止まぬ拍手におぼつかぬ足で幾度も笑顔見せたり
0127 客来ぬと何か歌えとチーママはわたしに言いて電話かけをり
0126 冷たくて白くてどろりとした闇がわたしのからだを奪い去ってく
0125 微笑みて淋しい嘘を奏でたり区立図書館貸出係
0124 彼の人の苗字名乗ると吾が運は悪しくならむと易者言いたり
0123 プログレでドン引きされて音楽の趣味は何かと聞かれし吾の
0122 もう二度とプログレなんて言わないわ現代音楽とも言いません
0121 春はいま周回軌道に乗りすぐに遠心力で夏へと向かう
1020 追いつかぬ速さでペダル回りたり じじは笑顔の手押し三輪車
0119 サンダルを鞠撞くように遊ばせる眩しき踵人ごみに消ゆ
0118 青空に少年野球チーム溌剌 母はフェンスの外で煙吐く
0117 地下茎のやがて躯の中心を破り芽を出す夢を見ました
0116 地下茎は吾と密かに交合し可憐な悪夢の花を咲かせり→推敲後:地下茎は吾と密かに交合し淡き悪夢の花を咲かせり
0115 暗室で君が育てし地下茎は吾が湿地より天へ隆起す
0114 欠伸した緊張響き男らはパラパラ漫画 消防訓練
0113 駆け足が駆け足である正しさで駆けられている消防訓練
0112 ぺしゃんこに直伸されたホース 男の意地を奮い立たせてみろ
0111 花びらを撒き散らかして配達のトラック走る一方通行
0110 アスファルトで眠る花びら トラック来てわたあめいかが?(推敲前:アスファルトで眠る花びら トラック来てわたあめできた)
0109 わたしたちきっと長生きしないねと臨床被験者口を揃える
0108 永遠にままごとをする罰生きる 賽の河原で石積むように

呟言短歌保存棚(1004a)

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0107 店先の犬に頬ずる少年のま白きペニス勃つを想像す

0106 環七を平泳ぎして進みたる都バスは紅きポルシェに勝てり
0105 ひらひらと春が零れし君が肩に 掌の湿り気を透かして見ゆる
0104 青空に輝く表彰台は遙か高層住宅美麗を競う
0103 生足が吾一番と咲き誇り紫外線を吾に反射す
0102 行くバスに弾む空気を持て来たりハイタッチせし少女のパスモ
0101 屋上でいちゃいちゃしよう星空の宇宙ステーションに見せびらかそう

0100 ひとりでに涙が出るから泣いてるのべつにかなしいわけではなくて

0099 皮膚を擦り粘膜合わせ体液を交換したねオノマトペの夜

0098 零かけるどんな数字も零になることが今でもしっくりこない

0097 悪態をついて掴んで泣き叫びあなたの背中を追いかけたいの

0096 宇宙から届く画像があまりにも鮮明すぎてもしやスタジオ?

0095 父の日のギフトも小さく扱いし母の日ギフトの案内届く

0094 路地裏の雑居ビルの階段があなたと最初のキスをした場所

0093 むこうでもほらこっちでも妖精が奏でているよ雨の木琴

0092 眠るのがちょっと苦痛になったときわたしは大人になった気がする

0091 年毎に爪弱くなり指先をかばいて止めるチョーキングかな

0090 立ち飲みでスーツ姿に囲まれてつくね片手に安酒を飲む

0089 高架下高円寺から阿佐ヶ谷へ薄暗がりを歩くのが好き

0088 食べたものすぐに下すし間々便秘おなかが弱い自動改札機

0087 ユビキタス指きりげんまん薬指夕日見送るばいばいまたね

0086 雨ざあざあ三角定規コッペパンあっという間にかわいいコックさん

0085 少子化の小学校に入学す百万馬力は何人分か

0084 ばぶばぶと言いて未来を考える財団法人未来予想図

0083 観覧車台からはずして転がして東京湾に沈めてしまえ(一部訂正。*訂正前[観覧車台からはずして転がして太平洋に沈めてしまえ])

0082 バラックの飲み屋の亭主(ママ)に励まされ次に行ったら夜逃げしていた

0081 花びらをあつめて緩し神田川 東京湾まで何枚運ぶ

0080 別れたと野太い声で泣く人の唇紅く睫は長し(一部訂正。*訂正前[別れたと野太い声で言う人の唇紅く睫は長し])

0079 会員制の重い扉を開く夜結びし紐の端を引く君

0078 歯医者さん行った帰りは自分へのご褒美買ってあげたくなるよ

0077 ぐんぐんと気温は上がり二十度に達すると言う気象予報士

0076 次の世に再び生まるることあらば吾人でなく草となりたい

0075 傘さすと雨を区切ってそこだけが縄張りとなる携帯領地

0074 二階より見下ろす道はとりどりの花の咲きたる雨の庭なり

0073 忘れ傘ひとつひとつが違ってて使いし人を想像してみる

0072 傘持ちて吾を待ちたる祖母越えて雨へ駆け出しひとり帰りぬ

0071水たまり探す小さな長靴と笑顔が揺れる雨のお迎え

0070いらないと水玉傘をはねのけて駅へと濡れる君の背中よ

0069 じぐざぐに季節は移りじぐざぐに日々うつろいて吾老いるなり

0068 銀色の天の嘆きを土に撒く呪文のような雨降りしきる(一部訂正。*訂正前[銀色の天の祈りを土に撒く呪文のような雨降りしきる])

0067 中心を貫くものの正体がたとえ肉でもそれを愛と云う

0066 愛よりも刹那の肌の温もりに縋(すが)ってみたいことだってある

0065 ホームレスひとかたまりの影となり桜の下を項垂(うなだ)れ歩く

0064 満天の星の如くに満天の桜眺めるプラネタリウム

0063 淋しいと死んじゃう動物干支にする吾も瀕死の状態である

0062 メロトロン ケルト神話の妖精がテープを回す仕事する箱

0061 誘われし花見に行かず返事すら出してはおらず ゴメンナサイです

0060 JRAが決めたから一年のうちの最終日曜日はアリマ記念

0059 龍馬をやっちゃおうって伏見奉行が言ったから一月二十三日はテラダ記念日

0058 ものごころついた時とはよく言うがものごころっていったい何よ

0057 難解な数式を解くようであるせくすを何故に人は享受す

0056 待ち合わせ新宿西口地下交番決めて会うのにいつも探した

0055 咲かぬ花愛でる男もあるのよとつぶやく君の後ろで「アダージェット」

0054「春よ、来い」願いて過ごし長き日の後に来たるは何故「春なのに」

0053ぬいぐるみ抱けば君を思い出すまるで体温感じるやうに

0052プレマリンプロベラプロセキエストロモンエチニルエストラジオールかな

0051恋すてふ いつもはづれを引きしをり人を見る目のかくも難きに

0050 マフラーがちょっと恋しい夕冷えを雪洞(ぼんぼり)のごと照らす夜桜

0049 スーパーの自転車置き場に繋がれし犬も春眠貪っている

0048 この恋の嵐乗り切るコンパスを貸してキャプテン・ジャック・スパロウ

0047 真実の恋ならきっと溺れないバタアシだって渡り切れるさ

0046 場所取りをするなら風邪を引かぬようからだぬくめて酒でも飲んで

0045 雨風が凌げてネットが繋がって飯が炊ければそれで御の字

0044 妖精の仕業であるかチョコレート買い物カゴにいつもかならず

0043 それぞれにマイ名所あり桜花たとえ小さき一株なりしも

0042 海に落つ夕陽眺めて育ちたる人の心を吾はわからず

0041 表とは呼ばれず歌にも歌われず吾が故郷の三陸海岸

0040 路傍の儚き花の如き出会いも腐れ縁へと変貌す

0039 スカートで覆いし嘘は発酵しやがて真実の酒となりたる

0038 花狂い散らされている散っている濡れた路面に花びらべったり

0037 嵐に花を散らすのは花見集中日を前にした花の矜持

0036 花びらのシャワーがあなたをお出迎え期間限定クルマもどうぞ

0035 「川沿いを歩くと桜が見事です」云われたわたしが詳しいのだが

0034 職人は3時休憩早く取り今日の仕事は早仕舞いかな

0033 飲み仲間腐縁の故の気楽さはすぐ辟易に変わると謂えど

0032 嘘じゃないそう言い切れば嘘になる けれどホントのことは言わない

0031 かあさんに初めてついた嘘は何 嘘を覚えて子は育ちたる

0030 今更にどうにもならぬ腐れ縁その手ありしか自己満足でも

0029 世の中は嘘と真実でできていてしかも意外と判別し難い

0028 つきたくてついてる嘘は思うほど多くはなくてだから苦しい

呟言短歌保存棚(1003)

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(つぶやいたうち旧作は除外しています)

0027 石棺の蓋を開けば黄金の木乃伊奏でるオルゴール鳴る

0026 身にひとつ聳ゆるものを殺めんと錬金術の力借りたり

0025 天空の冷たき風に磨かれし鏡は吾を映すことなし

0024 一晩中ブルームーンを追いかけて巡礼のごと歩きどおしたい

0023 相済まぬ拙者鬱にて宴会はご遠慮申すこれにて御免

0022 柔らかく木槌の音が響きをり新芽の如く柱立ちたる

0021 百円で買える恋でも恋は恋 恋に恋でも恋せよ乙女

1020 ブリザードのなか身を寄せ合い祈りの儀式の如く卵孵す

0019 こんなにも小さき庭で過ごしたか恩師訪ねし幼稚園にて

0018 せめぎあう冬と春との儀式にて最後の剣舞只中なりし

0017 愛しいと憎いが体躯縛ってるわたしはどうすることもできない

0016 北国の桜は黄金週間を待って咲きます親切なのです

0015 わたくしがかく生きていくそのことが正しいことの証明ならん

0014 桜花見るとそわそわしはじめる黄金週間過ぎれば三社

0013 海賊の掟は規則というよりむしろ心得と云えるらしい

0012 「そんな人やめときなよ」という言葉筋肉痛のように思い出される

0011 ほんとうに好きな人にはカンタンに好きだと言えぬものなのかもなぁ

0010 ブラクラの如く剥離と再生を繰り返す吾が皮膚 掌蹠膿疱症

0009 常連の花屋の男ひと枝の桜みやげに飲むカウンター

0008 Gカップあるという子の胸触りAから指折り数えてみるが

0007 属性を射抜く言葉は毒があり射抜かぬ言葉は居心地悪し

0006 さくらさくらさくらさくらさくらさく さくらちるちるちるちるさくら

0005 咲かぬ花散って行く花枯れる花 繋ぐいのちの営みの中

0004 両脚の奥の乾いた洞窟の奥の奥にはアンダマン海

0003 「銀恋」が好きなだけなのデュエットの相手は誰でもいいのホントは

0002 酔ったふりして抱きついて好きなふり 嫌いなふりし知らぬふりして

0001 咲く花の命短し花冷えは胸にしまいし淡き恋なり

短歌のやうなものをつぶやく

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▼twitterで短歌のようなものをつぶやき始めたのですが、目安として1日5つ、twitterに置いて行くことにしています。

▼はじめは、以前作ったヤツを載せてお茶を濁そうとも思ってたのですが、今作った方がいくらかでもマシなものが作れそうな気がしてきて、それって良いことなんだろうなあと思っています。

▼飽きたらやめますが、当分続けるつもりでいます。